トモセラピー

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トモセラピー Tomotherapy
トモセラピーは小型の直線加速器(リニアック)がCT装置の構造に組み込まれた汎用性の高い放射線治療装置です。
当院ではトモセラピーシリーズ最上位機のTomoHDA system(アキュレイ社製)を設置しました。同機種では国内13台目、札幌では初導入となります。
1.ハイエンドな強度変調放射線治療(IMRT)
特徴の1つ目が治療効果と副作用低減を実現する強度変調放射線治療(intensity modified radiotherapy:IMRT)です。これは照射する位置や角度ごとにビームの形や時間を変えながら照射する方法です。様々な放射線ビームが重なることで人体に入る放射線の強度に濃淡がつき、標的には高い放射線量を与え、周囲の正常組織には低い放射線量に抑えることができます。一つの治療部位で細かなビームの数が1万を超えることもあります。同じIMRT機でもビーム数が100台の機械もあることからトモセラピーは最も進化したIMRT高級機といえます。正常組織を温存し、標的に多くの線量を集中させるトモセラピーの放射線治療計画は他の治療装置が及ばない精緻で美しい放射線量の分布図となります。
2.CT-画像誘導照射(CT-IGRT)
トモセラピーのもう一つの特徴は正確な位置照合を実現するCT画像誘導放射線治療と (CT-image guided radiotherapy: CT-IGRT)です。高精度な照射が可能でも位置がずれてしまうと治療効果や副作用に影響がでます。トモセラピーはCT装置と放射線治療装置が効率よく一体となった構造であるため位置照合の精度が高いといえます。毎回の照射直前にCT画像を撮り、標的の位置を正確に評価します。ズレが大きい場合は装置による自動補正や手動での位置補正を行い、精確な照射を実現します。X線写真のように骨やマーカで位置合わせをするのではなく、CTにより人体内部の標的自身や周囲の組織の様子(呼吸や腸管の動きや膀胱や胃の大きさなど)に対して位置合わせをするため最も直接的で正確なIGRTシステムといえます。
3.独特の照射技術(らせん状照射と固定ダイレクト照射)
さらにトモセラピーでは他のIMRT装置にはない「らせん状照射」ができます。これは超高速でビームの形が変わりながら回転する中を、患者ベッドがゆっくりと移動することで実現されます。(写真)高精度のIMRTがらせん状にできることにより連続する複数の標的を一連で照射でき、また広範囲の標的をつなぎ目なく一様に照射可能とします。
乳がん温存術後の放射線治療のように当てる角度を固定しての照射も可能です。「固定ダイレクト照射」トモセラピーの場合、角度固定照射でも細かなビームを重ねているので肺や心臓などへの副作用を減らすことができます。

4.治療時間、治療期間、通院について
トモセラピーの一回の治療にかかる時間は、治療範囲や治療部位によって異なります。毎回のCTの撮影と確認を含めて、およそ20分を目安としています。
治療期間も病態や部位により分割回数が異なりますが、従来の放射線治療と同等です。
通常、外来での治療が可能ですが、病状などによっては入院をお勧めする場合があります。
治療後は定期的に画像検査等を行い、経過観察を行います。経過観察を紹介施設で行う場合もあります。
 
5.主な対象疾患について
悪性腫瘍 原発性・転移性問わず 頭頸部がん、前立腺がん、乳がん、脳腫瘍、肺がん、肝臓がん、胆管がん、直腸がん、胃がん、膵臓がん、膀胱がん、悪性リンパ腫、骨髄腫、転移性骨腫瘍 等
良性腫瘍 脳脊髄動静脈奇形 等
 
※上記以外にも適応となる疾患があります。
 
病名のみではトモセラピー治療の適応かの判断は出来兼ねます。
病歴や様々な検査結果を確認・検討する必要があるため、一度お問い合わせ下さい。