サイバーナイフ

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サイバーナイフ CyberKnife
サイバーナイフは精密工業で使われている高精度ロボットアームに小型の直線加速器(リニアック)を搭載した放射線治療装置です。当院では最新機種の「サイバーナイフ M6 システム」(アキュレイ社製)を設置しました。同機種では国内3台目、北海道では初導入となります。

1.定位放射線治療・強度変調放射線治療
自在に動くロボットアームを活かし、様々な方向から標的の病巣に対して照射を行います。病巣周囲の正常組織に当たる放射線を最大限に減らし、狙った病巣だけにピンポイントで放射線を当てる事が出来ます。そのため、副作用が少なく全身状態が悪い場合や高齢の方でも治療する事が出来ます。
リスクが高いため手術困難と診断された症例に対してのピンポイント照射や放射線照射歴がある病変に対しての再照射も可能です。
治療する部位や病巣により定位放射線治療や強度変調放射線治療となります。
2.サイバーナイフの画像誘導照射(IGRT)
サイバーナイフは天井にある二つのX線撮影装置で撮影したX線画像を利用して位置合わせを行います。位置にずれがあれば6つの関節を持つロボカウチと呼ばれる寝台とロボットアームにて位置補正を行います。照射中も位置確認のため一定間隔でX線画像を撮影します。治療中に位置ずれがあれば補正計算し、ロボットアームが調整しながら照射を進めていきます。これらにより正確な位置合わせと正確な位置補正が可能となり、より高度なピンポイント照射ができます。

3.照射部位ごとの位置合わせの方法
①    6D Skull Tracking(頭蓋骨による位置合わせ)
サイバーナイフが得意とする部位の一つである頭部に使用します。
頭蓋骨の骨と空気の境目を認識して頭全体で位置合わせを行います。
患者様それぞれに合わせて作成する、シェルと呼ばれるマスクを付けます。
②    Xsight Spine Tracking(椎体による位置合わせ)
体幹部を治療する際に椎体(背骨)を利用し位置合わせをします。
特に椎体や椎体近くの病変を照射する場合に有効です。
③    Fiducial Tracking (金属マーカによる位置合わせ)
体内に埋め込んだ金属マーカを利用して位置合わせを行います。
椎体から離れていたり、肺や肝臓などX線画像では位置合わせが難しい場合に使用します。
この手法は治療前に金属マーカの留置が必要となります。
④    Synchrony(動体追尾)
当院のサイバーナイフは、肺や肝臓・膵臓などの呼吸によって動く病巣に対して追尾照射を行うことができます。これによって、正常な組織に当たる放射線を減らすことが出来ます。治療中に息を止める必要はなく、普段通りの呼吸をしながら治療する事が出来ます。
※病巣によって治療前に金属マーカの留置が必要な場合があります。
⑤    Xsight Lung tracking(肺における動体追尾)
位置合わせ用X線画像で肺の病巣が確認できる場合のみ、金属マーカを使用せずに動体追尾照射を行うことが出来ます。
椎体を利用した位置合わせに加え、病変自体をマーカとして利用することで高い位置精度を保ちます。
治療前にシミュレーションを行い可能と判断された場合、金属マーカの留置をせずとも精度の高い治療を行うことが出来ます。
※ただし、この位置合わせ方法での治療は肺の病巣を照射する場合に限ります。

4.治療時間、治療期間、通院について
サイバーナイフは1回の治療で高い放射線量を照射出来るのが特徴です。1回の治療時間は位置合わせも含め30~60分ですが、すべての治療が1回から数回で完了します。通常、外来での治療が可能ですが、病状などによっては入院をお勧めする場合があります。
治療後は定期的に画像検査等を行い、経過観察を行います。経過観察を紹介施設で行う場合もあります。

5.主な適応疾患について
  • 頭部・頭頚部
   転移性脳腫瘍
   良性/悪性脳腫瘍
   良性/悪性頭蓋骨腫瘍
   脳動静脈奇形
   聴神経腫瘍
   頚部リンパ節転移
   口腔・耳鼻咽喉科領域
  • 脊椎・脊髄
   転移性骨腫瘍
   良性/悪性脊髄・脊椎腫瘍
   脊髄動静脈奇形
  • 胸部・腹部
   肺腫瘍
   肝腫瘍
   膵腫瘍
   縦隔リンパ節転移
   腹部リンパ節転移
   その他胸部・腹部腫瘍
  • 骨盤部
   前立腺
   婦人科領域腫瘍
   骨盤内リンパ節転移
 
※上記以外にも適応となる疾患があります。
 
病名のみではサイバーナイフ治療の適応かの判断は出来兼ねます。
病歴や様々な検査結果を確認・検討する必要があるため、一度お問い合わせ下さい。